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「愚者が訊く」

 倉本聡・林原博光「愚者が訊く」双葉社 ¥1000+税

 「NPO法人富良野自然塾」を主宰する2人が、各界の賢者と対話を交わした、その記録。富良野塾の季刊誌の「カムイミンタラ」に連載されているものが集められています。

 池上彰 わかりやすい伝え方 (ジャーナリスト)
 大島慶一郎 極地の海で今何が起きているか (海洋学者)
 山田英生 ミツバチが教えてくれる環境汚染 (養蜂家)
 松井孝典 宇宙から環境問題を解く  (宇宙に詳しい理学博士)
 山際寿一 サルを通してヒトをみつめる (人類学・霊長類学者)
 小出裕章 なぜ日本人は“原発の嘘”を信じたのか? (原子核工学者)
 山下惣一 段々畑に染み込んだ農業の真実 (農民・作家)
 
 上のようなヒトとの対話というより、聞き出しているお話です。池上氏とのお話でも、できるだけ易しく話すようにしているとのことで、この姿勢、その前に紹介しました、内田樹氏も、政治をできるだけコロッキャルな言葉で話すようにしているとの主張でした。コロッキャルとは会話体すなわち話し言葉です。難解な漢字熟語を使わないということです。全ページ、この姿勢が貫かれていて、やさしいけれども深い話を相手から引き出しています。その内容もさることながら、2人の著者の柔軟無碍なスタンスのあり方がとても参考になります。そもそも倉本氏、林原氏が愚者であるはずがないんですが、小学生にもわかるような答えを引き出すテクがいいと思います。やりとりが面白いだけでなくて、とてもよく理解できるんです。

機関誌は下のサイトにあります。

http://furano-shizenjuku.com/sub8.php
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