SSブログ

「日本のいちばん長い日」 [読書]

半藤一利「日本のいちばん長い日」文春文庫 ¥648(税込み)

http://www.sankei.com/life/news/140526/lif1405260021-n1.html
ここが著者自身の解説があります。今年8月に映画が上映される予定です。

 1945年8月14日から15日にかけての日本史のひとこま。8月15日は終戦記念日であって、その日の正午に昭和天皇の戦争終結宣言、俗に言う「玉音放送」があって、国民はボツダム宣言受諾、敗戦・終戦を知らされたのです。戦争終結を急ぐ内閣や宮内庁の作業と、その日の陸軍将校たちの、あくまで「本土決戦」によっての有利な降伏条件を得ようとする暗躍とテロリズムは2・26、5・15事件を連想させます。

 現在は憲法解釈変更による自衛隊出動拡大目的のため、安保法制が国会で議論される直前ですが、衆参で絶対多数を占める与党は強気で進もうとしているように見えます。

 上の著書は、いわゆる「宮城事件」を中心に書かれていて、軍人の狂気のような信念には対話も成立しない。この1日でも、降伏までにまるで綱渡りのような1日であったかのような印象を受けました。
 上のサイトで著者は陸軍関係の、まだ知られていない動きがあったことを示唆していて、不気味でもあります。陸軍将校ら反乱関係者は一切処分はされていません。

 シビリアンコントロール・文民管理は、陸相海相が入閣していて、崩れてしまっていたことから、このような事態になったわけで、その根は昭和初期からの軍部の台頭にあったということです。しかしまた、戦争終結に昭和天皇の存在が、14,15日に重要な役割を果たしたことも事実でしょう。

 現在の世界情勢を見ても、中東、朝鮮半島、そして南アジア海域への中国進出など、そしてアメリカの全体影響力低下もあり、宗教・民族紛争はなかなか平和的解決が難しい。複雑すぎて、単純に書けないですが、至る所で戦乱が続いており、どれだけの数の避難民がいるのか、想像もできないくらいです。

 おそらく、日本の進む先は、米中の狭間でのバランスにあるようですが、中国の覇権が「安定」するにはもう少し時間がかかるようです。貿易量から判断しても、米中日はゆるぎない関係であるので、たいしたことは起こらないだろうと思うのだけれど、ただ、欧米的な価値観とアジア(中国)的な価値観はなかなか共存していかない懸念もあります。はるか遠い中東ばかりでなく、人口が増加するインド・中国あたりに問題が発生しないことを祈るばかりですが、日本の自衛隊がそこへは行ってはいけないのではないでしょうか。

 
nice!(2)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 2

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。